2020/05/05追記・編集
このブログでも度々ご紹介している『メゾン・マルタン・マルジェラ(Maison Martin Margiela)』
【過去の記事】
→ 17年間も連続で発売されている”ハの字”ライダースの魅力とは
→ 【生誕22周年】Martin Margiela(マルタンマルジェラ)のエイズTシャツ年代判別法
今回は、マルジェラのコレクションライン⑬についてご紹介します。
Martin Margiela(マルタンマルジェラ)⑬ 「オブジェや出版物のコレクション」とは?
マルタンマルジェラのタグは、”カレンダータグ”と呼ばれる0~23までの数字が並んだものです。
この数字はマルジェラのコレクションラインを示しており、そのアイテムが該当するコレクションラインの数字に○がついています。
ほとんどが衣服やアクセサリーに関するコレクションですが、唯一⑬だけは「オブジェ、または出版物」となっています。
この一つだけ浮いた存在のコレクションアイテムにはキワモノが多く、マルジェラ好きの方はもちろんそうでない方でも、マルジェラの魅力を感じとれることでしょう。
Martin Margiela(マルタンマルジェラ)⑬ のアイテム
それでは、個人的にクセがすごい!と思うマルタンマルジェラ⑬ラインのインテリア・雑貨をご紹介します。
1. スノードーム
出典元:RESTIR
このスノードームにはシルバーラメと白い発泡スチロールのようなものの2種類があります。
2009年に大きくなって再登場し、現在でも販売されています。
ちなみに写真では伝わりづらいのですが、実はこのスノードーム意外と大きく、直径が大きめの丼ぶり鉢くらいあります。
良く見かけるスノードームは手の平に余裕で収まるサイズですから、初めて目にしたときには、その想像をはるかに超える大きさにびっくりしたのを覚えています。
このスノードームはマルタンマルジェラのアイコン的なデザインにもなっていて、これがプリントされたTシャツなどもリリースされています。
2. 風鈴
出典元:RESTIR
「EDO」と名のついた風鈴で、大きさは大中小の3種類あります。
こういった日本の伝統的な文化をフィーチャーしてくれるところも、マルジェラの素敵なところだと思います。
3. ボトルランプ
出典元:RESTIR
ワインボトルなどを使ったランプシェードが元ネタですが、写真は焼酎のボトルを使用したもの。
焼酎ボトルの他にもワインボトルバージョンも同時に発売されていますが、個人的には焼酎ボトルの方が好みです。
4. 傘
阪急うめだ本店建て替え一期棟オープンを記念して作られたビニール傘です。
傘の柄と先端がクリアになっています。
なんといっても特筆すべきは傘全体にプリントされた紙吹雪。
この紙吹雪模様は、この傘以外にもスニーカーやTシャツなどにも用いられており、スノードームに並ぶアイコニックなとなっています。
春の雨の日に、桜が散って傘にひっついてしまったシチュエーションから来ているのでしょうか...
差すと紙吹雪の部分だけ地面に影ができて、それもまたオシャレで魅力的です。
ただ雨に濡らしてしまうのが嫌で、もったいなくて使えない気もします...
5. ルーペ
見てわかる通り、メガネの片側だけを切り取ったようなデザインのルーペです。
右側バージョンと左側バージョンの2種類があります。
度数も+2.50(2.5倍)としっかり見えます。
なかなか日常生活においてでルーペを使う機会はありませんが、インテリアとしてもかわいくてオススメです。
6. しおり
出典元:KAVUT
実用性No.1。
こちらもマルジェラのアイコニックなアイテム「足袋シューズ」から、足袋のソールの型のしおりです。
シンプルかつさりげなく主張している感じが個人的にかなりツボです。
7. 羽根ペン
出典元:RESTIR
こちらは羽根ペン。
ですがインクをつけるわけではなく、ペン部分がボールペン仕様になっています。
羽根もオーストリッチとグースの2種類があります。(上画像の真ん中がオーストリッチ、左右がグース)
オーストリッチはふわふわの羽根が広がってゴージャスな印象、グースはまとまっていてザ・羽根ペンといった感じでしょうか。
実はこのボールペン、ちゃんとした元ネタがあります。
それがこちら。BICボールペン。
日本でもおなじみのボールペンで、60年以上の歴史を持つフランス発の筆記具です。
元ネタというか、よく見るとマルジェラの方にもBICって書いてありますね。
1500年以上前から使われていた最古の筆記具と云われる羽根ペンを、現代のメジャーなBICボールペンと合わせてしまうところがニクいです。
8. 麻雀牌
マルジェラ香港店三周年記念に作られた麻雀セットです。
個人的にすごく欲しいやつです。
ただ真っ白に作っただけかと思いきや、サイコロの1,4,6がマルジェラの①ライン・④ライン・⑥ラインにちなんで○で囲まれていたり、本来カラフルな牌も全てモノクロになっています。
ただお値段が凄まじく、1161ドル(約120,000円)もします。
記念に作られたものなので仕方ないのでしょう...泣
出典元:HYPEBEAST
裏面も真っ白なので、「白(ハク)」とかややこしくて仕方ないんじゃないかと思うのですが、なにか工夫されているんでしょうか。
ルービックキューブ
こちらのルービックキューブは、青山店が表参道のGYREに移転したときに作られたものです。
書いてある文字は、
Maison Martin Margiela
Omotesando
Opening
on November 1st, 2007
これだけです。他の面には何も書いてありません。
つまり、一面揃えれば終了。これなら私にもできそうです。
マルジェラはルービックキューブから色を奪い、ゲーム性をなくすことでおもちゃからインテリアアイテムへと変化させたのでしょう。
すごくいいように言っている気もしますが...
9. マトリョーシカ
出典元:RESTIR
こちらもマルジェラの小物の中では有名なアイテム。
ロシアの民芸品 マトリョーシカです。
このマトリョーシカは7体セットと9体セットの2種類があります。
初期に発売されたものは7体セットですが、「ホワイトオブジェクツ」という、過去の⑬ラインのアイテムがまとめて再販されるプロジェクトとして復刻されたものは9体セットになっています。
これはマルジェラのラッキーナンバーである9(neuf)にちなんだのだとか。
出典元:RESTIR
ちなみに7体セットのものはこちら。
9体セットのものに比べてくびれがしっかりとあるのがわかります。
10. 時計
出典元:44store
置きでも掛けでも使える万能な時計。
マルジェラらしい白い生地を用いていて可愛いのですが、遠くから見ると時間がわかりにくいという時計としては致命的な弱点があります。
白ベースに文字も針も白だと無理もないですね...
置き時計として近くに置いておく分にはとてもGoodです。
12. カレンダー
月ごとのカレンダーです。
さきほどの時計と同じく白い生地に白い刺繍で見にくい!というのもあるのですが、
それに加え○○月の表記と、曜日の頭文字がフランス語のため一瞬戸惑ってしまいます。
(月の表記はフランス語で書かれた下に英語でも小さく書かれてはいます)
13. 砂時計
出典元:PALAIS DE TOKYO
砂時計、ですが球体の中に埋め込まれたようなデザインになっています。
計測時間は5分ということなのですが、こんな球体できちんと測れるのでしょうか...
さきほどのルービックキューブもそうですが、そのものが持つ元々の役割を奪ってしまうようなデザインがマルジェラには非常に多いです。
それはまるで、時間を測る役割が持てなくなってもインテリアとして存在するこの砂時計のように、役割とは違うところにものの価値は在ると主張しているようです。
14. リングノート
出典元:RESTIR
普段よく見るリングタイプのノートですが、リングが両側についています。
つまり、開けられません。どちらかのリングを破壊しないと使用することができません。
ノートまでもが役割を奪われています。
ここまでくると、マルジェラのデザインからは遊び心やギミックというよりは、哲学的なものを強く感じます。
15. たまご
出典元:frenchologie
最後はこちら。卵です。
「FORTUNE EGG」と名前がつけられたこちらの卵。
外装は4つ入りのパックですが、中を開けても入っている卵はたった1つです。
その卵自体の中身はくりぬかれており、白身や黄身の代わりに抽象的なメッセージが書かれた紙が入っています。
出典元:frenchologie
メッセージは複数種類あるようですが、どれもポジティブな内容となっています。
一見しただけではわからない中身、外見だけで判断してしまいがちな我々に”本質を見る”というメッセージがこもっているように思います。
また、たまごの殻の中にポジティブな言葉が入っていることから、
”殻を破る=ポジティブ”、殻を破って前向きに行こうといった内容を投げかけられているようにも感じます。
出典元:frenchologie
洋服だけでなく、Martin Margiela(マルタンマルジェラ)⑬のインテリア・雑貨にもご注目してみては?
難しい考察を抜きにして見ても、クスッとくる洒落の効いた素敵なデザインのものばかりですね。
これほどクセがすごいインテリア・雑貨が発表されるのは、衣服だけではマルジェラの伝えたいことを表現しきれなかったからでしょう。
洋服も良いですが、たまにはこういったインテリア・雑貨にも目を向けてみると面白いかもしれません。
※Dollarは "VISION OF FASHION" というサイト名に変更しました。
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