Martin Margiela(マルタン マルジェラ)のアーティザナル作品 -ファッションアイテムの再構築12選-
2016.11.27
2020/05/05追記・編集
今回はMartin Margiela(マルタン・マルジェラ)の、ブランドの根幹ともいうべきアーティザナル作品についてお伝えします。
前回の記事はこちら
→ Martin Margiela(マルタン マルジェラ)のアーティザナル作品 -身に着けるモノの再構築6選-
そもそもマルタン マルジェラの”アーティザナル”とは??
Martin Margiela(マルタン マルジェラ)は、タグの番号によってラインが異なります。
現在あるのは以下のライン。
0 - 手仕事により、フォルムをつくり直した女性のための服
0 10 - 手仕事により、フォルムをつくり直した男性のための服
1 - 女性のためのコレクション(ラベルは無地で白)
4 - 女性のためのワードローブ
3 - フレグランスのコレクション
8 - アイウェアのコレクション
10 - 男性のためのコレクション
14 - 男性のためのワードローブ
11 - 女性と男性のためのアクセサリーコレクション
12 - ファインジュエリーのコレクション
13 - オブジェ、または出版物
22 - 女性と男性のための靴のコレクション
MM6 - ♀のための服
これらの13ラインの中で、最も値段が高く、また最も製作に時間を要するアイテムが展開されているのが「0」と「0 10」を冠する「アーティザナル」と呼ばれる解体再構築ラインです。
このアーティザナルラインはマルジェラの中でも特別な意味を持つラインで、マルジェラのデザインや創作活動の根幹といっても過言ではないでしょう。
アーティザナルラインでは、マルジェラチームが世界中を旅して収集したアンティークやヴィンテージをひとつひとつ解体し、それらの構成要素を丹念に検討して、少しひねりを加え一着の衣服に仕上げた作品を展開しています。
一着を作るのにとてつもなく時間がかかるので、現在は既製服での展開はなく、オートクチュール(オーダーメイド)での展開のみとなっています。
それぞれのアイテムには、コレクション(シーズン)、色、金額、サイズ、それらに加え、番号と簡単なタイトル、説明、および完成に費やした時間が記載されたカードがついており、その服の背景にを思わせる内容になっています。
他のファッションアイテムを用いたアーティザナルラインのアイテム
1. フェドラハット(2004年秋冬)
フェドラハットとはいわゆる中折れ帽のこと。
その中折れ帽をつなぎ合わせ、ジャケットにしています。
街で着られるかはさておき、ものに別の価値を持たせるという挑戦心が伝わってきます。
ちなみに同シーズンにこれのベストタイプもあります。
2. ファーハット(2005年秋冬)
こちらはファーハット解体再構築。
ラグジュアリーブランドの作る豪華なファーコートを批判するかのような、ありもの、つぎはぎで作ったピースです。
3. ミリタリーソックス(1991年秋冬)
ミリタリーソックス解体のハイネックニット。
パッと見では靴下だと気付かないほどです。
こちらは作り方の画像
家に要らない靴下がたくさんある方、挑戦してみてはいかがでしょうか。
4. レザーサンダル(2006年春夏)
レザーサンダルのアッパーやストラップ部分を解体再構築したアイテム。
古着のサンダルを使用しているので2つとして同じものはありません。
ストラップベルトでベストを留められるようになっています。
5. ハイカットスニーカー(2007年春夏)
通称「スニーカー・ベスト」。
ヴィンテージの白いキャンバス地のバスケットボール・シューズが素材になっています。
オリジナルの靴紐も再利用され、ベストを閉じる役目も果たしています。
6. レザースニーカー(シーズン不明)
こちらはレザースニーカーが素材。
腕は履き口から出すのでしょうか?
adidasのロゴらしきものも見えます…
シーズンが不明なので詳細がわかる方はぜひお教えください。
office@dollar.jp.net
7. 蝶ネクタイ(2006年秋冬)
シルク、ウール、ベルベット、サテン、ポリエステルなど、さまざまな素材の蝶ネクタイで作ったドレス。
深いネックラインは金属のフレームで支えられているようです。
8. カマーバンド(2006年秋冬)
一見してモードブランドのジャケットに見えるこちらのジャケットは、カマーバンドが素材になっています。
カマーバンドとはタキシードなどのイブニング用に着用する幅の広い腰巻ベルトです。
普段は主役をはることのない脇役のカマーバンドにスポットを当てたアイテム。
ラペルもカマーバンドに折り目をつけてスモーキングジャケットのように仕上げています。
9. シューレース(2009年春夏)
シューレース(靴紐)で作られたドレス。
使われているシューレースはなんと約400本だそうです。
10. トラベルバッグ(2007年春夏)
背面はトラベルバッグをそのまま使用しており、ジップなども開くようです。
空港で荷物に貼られるタグがそのままなのも面白みがあります。
ちなみに荷物タグに書いてある「CDG」はパリにある「シャルル・ド・ゴール空港」のことです。
11. ミリタリーバッグ(2006年春夏)
スイス軍のミリタリーバッグが素材のジャケット。
固く頑丈な布地であるアーミーバッグをブリーチした後に染めてやわらかくし、平面状に広げて布地として使用。
元のバッグに付属していたボタンもそのまま使われ、ところどころにある白い紐はショルダーベルトやハンドル部分です。
12. ショッピングバッグ(2007年春夏)
ショッピングバッグが素材のトレンチコート。
マーケットのロゴが入っているショッピングバッグを漂白し、キャメル色に染め直されたもので、コート一着につき最高40個のバッグを使用しているようです。
フラップやベルト、ベルトループにいたるまですべてバッグから切り出されたものという手の込みよう。
ハンドルの部分がそのまま活かされて後ろに垂れ下がっているのもチャーミングでエレガントな一着です。
Martin Margiela(マルタン マルジェラ)のアーティザナル作品 -日用品の再構築12選-
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ものにまつわる想いやエピソードまで含めて、丁寧に査定させていただきます。
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