元『SAINT LAURENT PARIS(サンローランパリ)』のクリエイティブディレクター エディ・スリマンがタイトなシルエットを貫く理由

2016.09.28

メイン画像引用元:FASHIONBEANS

『SAINT LAURENT PARIS(サンローランパリ)』の人気の高さは今さら語るに及びません。

2012年秋冬シーズンにHedi Slimane(エディ・スリマン)が『Yves Saint-Laurent(イヴサンローラン)』の新たなクリエイティブディレクターとして就任。
定番の”YSL”ロゴの廃止やプロモーション方法の見直し、極めつけに大胆にもブランド名『SAINT LAURENT PARIS』に変えたことはファッション業界で大きな話題となりました。

エディ・スリマンの改革に、内部では反対意見も大変多かったそうですが、否定派の思いに反して、世間は彼のデザインに魅了され絶大な支持を得ました。
レザーウェア、バッグ、デニム等は販売と同時に完売するケースも多く、店頭だけならまだしも、ネット通販においても完売していたそうです。

エディ・スリマンは、2016年3月末にSAINT LAURENT PARISを退任しましたが、彼がクリエイティブディレクターを務めていた時代のアイテムは今もなお絶大な人気を誇っています。

すべてのコレクションにおいて一貫したタイトなシルエット

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『SAINT LAURENT PARIS』のコレクションのランウェイでは、毎回必ずガリガリすぎる(拒食症?)といっても過言ではない細身なモデルを起用し、とにかくタイトな作りのアウターやデニムが印象的です。

ボトムスに関しては特にそれが顕著で、細さに加えてレングスがとても長く、日本人が着用するにはほぼお直しが必要と言えるでしょう。

ブランドは、毎シーズンコレクションを発表するわけですが、そのテーマによってスタイリングは様々です。

もちろんブランドごとの特徴はありますが、SAINT LAURENT PARISの場合は、本当にすべてのコレクションのすべてのルックで一貫してタイトなシルエットのスタイリングを提案しています。

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引用元:VOGUE

エディ・スリマンの提案するタイトなスタイリングは、『SAINT LAURENT PARIS』時代だけにとどまりません。

『SAINT LAURENT PARIS』のクリエイティブディレクターに就任する以前は、2001年秋冬シーズンから2007年秋冬シーズンにかけて『Dior Homme(ディオールオム)』のクリエイティブディレクターを務めていました。

この頃からタイトなスタイリングは多用されており、当時爆発的人気を誇ったエディスリマンの『Dior Homme』は、今となっては当たり前のスキニーパンツなどのタイトなスタイリングをメインストリームにした立役者だと言われてます。

たまにお客様と当時の『Dior Homme』の話になると、
「当時のメンズはディオールを着るためにダイエットを頑張った...」
といった嘘のような本当の話に花が咲きます。

実際、世界中で『Dior Homme』を着るためにダイエットするメンズが急増したという話も耳にします。

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引用元:GLAM

あのファッション界の重鎮Karl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)さえもエディ・スリマンの作る服に魅了され、彼の作る服を着るために13ヶ月で42kgのダイエットをしたという話は有名です。

世界中から高い評価を浴びる彼のデザインですが、この固執とも言えるタイトなスタイリングの理由は、デザイナー エディ・スリマンの若き頃からのこだわりに起因しています。

エディ・スリマンがタイトなシルエットを作るきっかけ

エディ・スリマンが若き日の頃、フランスの超難関エリート校であるグランゼコール・パリ政治学院を卒業後、服飾の正規の教育を一切受けずに独学で服を作り始めたそうです。

その理由が単純明快
「スキニーな自分の身体に合う服がないから」
だったそうです。

彼が服を作り始めたのは16歳だったそうで、当時から痩せていたエディ・スリマンが自分に合うサイズの服を作ることがのちに世界を魅了するシルエットが誕生したきっかけだったようです

洋服に携わりはじめたきっかけを頑なに守り続け、徹底して自らが好むシルエットの服作りを曲げない姿勢は称賛に値します。

どれだけ有名なブランドであっても、顧客の潜在的なニーズを先読みしながらそれをデザインに反映させていくのが常であり、その度合いに差こそあっても完全に無視するところはないでしょう。

ただエディスリマンは例外です。彼は自らの愛するタイトなデザインを絶対に譲りません。

たとえファッション業界全体がビックシルエットの流れに振れても、エディ・スリマンだけは今と変わらずスキニーパンツをリリースすることでしょう。

そんなエゴともいえるデザインであっても、彼のデザインを愛する顧客は耐えません。

僕自身も含めおそらく皆、エディ・スリマンの絶対的に揺るぎないポリシーと、それに伴う洗練された感性と技術に魅了されているのでしょう。

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