Paul Harnden Shoemakersとは??
2020/05/05 画像追記・編集
Paul Harnden Shoemakers(以下ポールハーデン)ははじめはシューメーカーとしてスタートしたブランドです。だから名前に「Shoemakers」とあるんですね。
彼はもともとイングランドの老舗シューメーカー「John Lobb(ジョン・ロブ)」で木型職人として働いた経歴を持ちます。
キャリアは長く、今年2017年でちょうど30周年を迎えます。
彼のプロダクトはとにかくクラシックで自然的。ハンドメイドにこだわったモノづくりにも根強いファンを持ちます。
現在は靴だけでなくアウターやシャツ、トラウザーズからバッグなどの小物類まで展開しています。
このブランド、筆者も大好きなブランドなのですが、如何せん高い!!
ジャケットで約300,000円、パンツでも200,000円くらいはします。
なぜこんなに高いのか??
これほどまでに高い理由を一緒に見ていきましょう!
ポールハーデンの希少性
まず、ポールハーデンは限られた少数の店舗でしか取り扱いがありません。
パリのL'ECLAIREUR、NYのIf SoHoなど、海外では数えるくらいの店舗での販売。
日本は取り扱い店舗数が多い方ですがそれでも他ブランドと比べればかなり少ないです。
そして、ネットに商品画像が上がらないことでも有名です。
店頭に行かないと商品を見ることもできないんですね。
しかも生産量が極端に少なく、シーズンに数点しか生産されていない、というアイテムもあるほど。
それゆえ二次相場でも高値で取引されています。
・・・ん?
希少だからこんなに高いってこと??
いえいえ、なにもわざと生産数を絞って価値を上げているわけではないんです。
その秘密は、生産背景にあります。
100年前の織機
https://jp.pinterest.com
ポールハーデンの生地のいくつかは19世紀後半に設計デザインされた織機、ドブクロス織機を使って織られています。
現在この織機を使っているところはほぼありません。ものすごーく旧式の織り機と思っていただければ。
今の織機はミクロ単位まで設定が可能ですが、このドブクロス織機はラトルフィットと呼ばれる糸ごとの隙間を開けた設定で織ります。というより、そうでないと織れないそうです。
横糸を木製のシャトルで1分間に100ピックの速さで打ち込んでいくのですが、この速さでは、1日にたったの40mしか織れません。(現代のエアージェット織機だと250mくらい織れます)
さらに、100年前に作られた織機ですから問題点もいくつかあります。
まず、織機を動かすエンジンを作っている企業が廃業してしまっているそうです。ということはいつ動かなくなるかわからない、ということ。
一部の部品が壊れた際は注文できるようですがものすごく高価なので使い続ければ使い続けるほどコストがかかります。
そして織られた生地は売れ筋とはまったく異なる、ローテクな生地。
そりゃあ高くなるのも頷けます。
ただ、この生地の風合いは絶対にこの織機でないと出せません。
横糸の打ち込み速度が高速になればなるほど、糸1本1本にかかるテンションが強くなり、ウール本来の弾力性や風合いを出しづらくなってしまいます。
ゆっくりゆっくり横糸を打ち込むからこそこの風合いが出せるんですね。
さらに、シャトルで横糸を打ち込んでいくときに糸同士が擦れ合うことも生地に柔らかな風合いを与えています。
最近では織り上がった後のフィニッシング技術が進歩しているので、見た感じ・触った感じはパッと見は同じようですが、
表面的に加工したものと、本来持つ特性がそうであるものとでは着込んでいったときに差が出てきます。
ポールハーデンの生地が全てこの織機で織られたものではないですが、このブランドを象徴する生地であることは間違いないでしょう!
ポールハーデンのデザインソース
これは高い理由とは直接関係はないですが、デザインソースがマニアック、というのもコアなファンを生み出している要因ではないかと思いますのでご紹介します。
ベースになっているとされているのは
・産業革命以前のイギリス
・アーミッシュ
文章よりも写真でご覧いただきましょう。
まずは本物のポールハーデンから。
https://jp.pinterest.com
お次はデザインソース。
産業革命以前のイギリス
https://jp.pinterest.com
アーミッシュ
Lens Blog - The New York Times
アーミッシュ・・・アメリカ合衆国のペンシルベニア州・中西部などやカナダ・オンタリオ州などに居住するドイツ系移民の宗教集団。 移民当時の生活様式を保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしていることで知られる。(Wikipediaより参照)
こう見てみると本当によく似ていますよね。
これらに共通することは18~19世紀のものであるということ。
まだ化学繊維も生まれていない時代の服をデザインベースにしているため、使われている素材はすべて天然繊維。
裏地も、着心地を追求すればキュプラやレーヨンですが、当時使われていたままを再現するためコットンが使用されています。
Dollarがオススメするポールハーデンたち
Portland ウールリネンワンピース
Portlandの名前の由来は(おそらく)イギリスのポートランド島から。
ウール50%リネン50%という、もっさり感がたまらないアイテム。
Kent アシンメトリーウールジャケット
由来はグレートブリテン島の東部にある地名ケントから。(これもおそらく)
Pembroke ウールワンピース
由来はウェールズ南西部、ペンブロークシャー県の都市名から。
地名がモデル名についているんですね。
上のKentと同じ生地でセットアップで着られるアイテムです。
アシンメトリーリネンカーディガン
カーディガンのリネンタイプはなかなかレア!
私物で同じ型のシャツを持っているので個人的にお気に入りのアイテムです。
カシミア混ウールカーディガン
これもお気に入り。タラリと垂れた袋ポケットがかわいいです。
Womens Suffolk Trouser トラウザーズ
Sold Out !!
こちらは入荷後すぐに売れてしまったのでご紹介だけ。
こんなクラシカルな手法で織られた、手の温もりのある〝ローテク〟な生地。
普遍的でカッコいい服ってこういうことなのかもしれません。
Paul Harnden 高価買取
当店では、ポールハーデンのアイテムを高価買取致します。
どのアイテムでも大歓迎です。
定番のマックコート、ブレザー、サスペンダーパンツ、トラウザーズなどは特に高価買取致します。
Writer:Yusuke Omura
ものにまつわる想いやエピソードまで含めて、丁寧に査定させていただきます。
飾っているだけで着ていないコレクションがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
次のオーナー様へ、こころをこめて伝えます。
※Dollarは "VISION OF FASHION" というサイト名に変更しました。
店舗買取は東京 CONTEXT TOKYO、京都 乙景、岩手 kune にて承っております。宅配買取もぜひご相談ください。
買取のご相談は コチラ から
instagramアカウント @v.o.f.archive