メイン画像出典:LVMH
モノは新しい方が良いのが常ですが、それでも人は古いモノに心惹かれることがあります。
フランスの創業120年という歴史ある高級紳士靴ブランド「Berluti(ベルルッティ)」の創始者アレッサンドロ・ベルルッティ(Alessandro Berluti)は、そんな過ぎ行く時間が物に残す影響の深さを尊重し、それを味方にする術を心得てきました。
唯一無二のカラーを生み出すパティーヌの技
出典:Berluti
ベルルッティの最大の特徴と言えば、1つとして同じものの無い深みのあるレザーの色彩です。
革にさまざまな色を塗り重ねることで生まれる深みのある独特な色つやは、アレッサンドロ・ベルルッティが月の色の移りかわりにインスピレーションを得て、後に「パティーヌ」と名づけられた技法によるものです。
錬金術師の秘密と同じくらい貴重だと言われるこの技は、“時間のカラー”を表現。
これによりベルルッティのシューズは、過ぎ行く時間が美しさに贈る繊細なエレガンスを手に入れるのです。
また、創業一族の4代目で、アートディレクターに就任した、オルガ・ベルルッティは、これまでタブーとされてきたグレー・黄色・緑色などの色を取り入れ、従来の質を落とすことなくブランドの定番カラーパレットを豊かにしました。
ベルルッティだけが使用を許されたヴェネツィア・レザー
パティーヌが施されるレザーももちろんただのレザーではありません。
ベルルッティが使用するレザーは、ブランドが創作した「Venezia(ヴェネツィア)」と呼ばれる類まれな品質のフルグレインレザーです。
ベルルッティ独自のこの天然レザーには、鉱物と植物による特別な鞣しによって、あらゆる独創的な大胆さを可能にする、非常に独特なしなやかさとフィット感が備わっています。
そして何より独特の経年変化を起こすこのレザーは、”時間の経過”の持つ美しさを重視するベルルッティならではのレザーと言えるでしょう。
二つの顔を持つ廃盤シリーズ「Piercing」
ベルルッティには、片足にピアスが付けられた「Piercing(ピアッシング)」と呼ばれる廃盤シリーズがあります。
このシリーズは、現当主マダム・オルガが過去にパリ・マルブッフ通り本店で出迎えた幾多のゲストの中でも、特に印象深かったふたりの紳士”ウィンザー公”と”無名の不良少年”との鮮烈な出会いの記憶を、靴のデザインとフォルムで表現したいという発想から生み出されたものです。
片足はウィンザー公の高貴なイメージを表現するため美しいプレーン。
もう片方は、若者の尖ったエネルギーを表すためにアッパーレザーにピアスを施し、全く異なる男性それぞれが持つダンディズムを左右非対称の一足で表現しています。
伝統を纏いつつも遊び心あるシリーズです。
商品情報
BERLUTI PIERRE COLLECTION サイドジップパティーヌブーツ 牛革 7.5 茶 ブーツ
BERLUTI オルガⅢ ドレスシューズ レザー 7 緑 ドレスシューズ
BERLUTI パティーヌ レザーシューズ/ブラウン レザー 8.5 ブラウン 茶 ドレスシューズ
Writer:Yusuke Omura
※DollarはARCHIVE OF FASHIONというサイト名に変更しました。
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